このブログは、 南国バリ島に生まれ育った野生児パグ 豆太郎 と そら豆 が
ニッポンへ上陸しちゃった、トホホな 帰国犬日記 として 再スタートしました m(-_-)m





                         ☆ ☆ ☆



【犬のクッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)】
脳下垂体の過形成や腫瘍、副腎皮質にできた腫瘍によって、
コルチゾールと呼ばれる副腎皮質ホルモンが過剰に分泌
される病気。ステロイド薬が原因の医原性もある。
主な症状として、水をたくさん飲む、おしっこの量が増える、
たくさん食べるのにやせていく、全体的に毛がうすくなる、
左右対称に毛が抜ける、お腹が膨れるなどの症状がある。




去年の冬はなんであんなに寒かったのだろう。

おまけに天気が悪くて、雨や雪もやたらと多かった。

暖冬といわれる今年と逆だったら

豆太郎の筋力低下は

あれほど進まなかったかもしれないのに。



2015年を迎え本格的な冬が到来すると

寒さや天気のせいもあり、庭で遊んだり

のんびりと散歩ができなくなった。

外に連れ出すと、豆太郎は可哀そうなくらい寒さに震え

すぐに家へ帰りたがった。

そして寝てばかり過ごすようになった。



そんな冬をやりすごしている間に

豆太郎の脚はどんどん弱ってしまったのだろう。



だろう、というのも無責任な表現だけれど

実際、私は冬の間はそれほど

豆太郎の筋力が落ちている実感がなかった。

寒いから散歩に行きたがらないのだろう、

寒いから寝てばかりいるのだろう、

バリ島育ちで寒さにめっぽう弱い豆太郎だもの。

春になれば、暖かくさえなれば

また庭で遊んだり、

散歩に行きたがるようになるだろうと

冬の寒さのせいにし楽観視していた。





0201-1 2016
2015年3月。それでもお散歩には毎日でかけた。






だから冬の終わり、寒さが緩んだ頃にようやく

豆太郎の変化に気づき、そして焦りはじめた。



明らかに脚の筋力が弱くなっていた。



冬がはじまる前よりうんと歩くペースが遅くなり

少し歩くとすぐ止まる。

2,3歩進めば休んで、

また数歩進んでは休憩したがった。




いったん進みはじめた筋力の衰えは

もう止まることはなく

むしろ加速をつけて脚の力を奪っていった。




0201-2 2016
2015年7月、白川郷にて。ほとんどカートに乗っていた。





そして豆太郎に

「出来ないこと」がどんどん増えていった。




なんでもない段差、

たとえばアスファルトの継ぎ目のような

小さな段差につまずき

小石を踏んで体のバランスを崩した。

転んだことも何度もあった。



幅5センチほどの溝が怖くてまたげない。



土の地面は草や凹凸に脚をとられて上手く歩けない。



男らしく脚を上げていたトイレは女の子座りになり

弱った脚では踏ん張りきれないのか

ウンチもヨタヨタと進みながらすることが多くなった。



脚を拭いたり、

洋服を着たりするのに片脚を上げると

すぐ転んでしまう。



お座りもしなくなった。

あんなに得意だったゴハンの前のお座りが

何度いってもできなくなり

脚を斜めに崩してくつろぐ芸者座りもしなくなった。



横になる場所をなかなか選べず

ようやく体を下ろすときは

ドサリと一気に崩れ落ちるように横たわった。




けれど、これらの変化は

ある日を境に急激にというものではなく

なんかいつもと違うなぁと感じる些細なことが

日々少しずつ積み重なって増えてゆく感じだった。


そして少しずつ進んでゆく。

たとえば、

地面の凹凸に脚をとられるようになると

布団やお気に入りのマットの厚みにさえ脚をひっかけ

上手く乗ることができなくなる。

豆太郎はフワフワしたモノの上でないと

昼寝できない子だったのに

晩年は薄い絨毯の上を好むようになっていた。





クッシング症候群の診断を受けてから

投薬治療としてトリロスタンを1日10㎎(朝5㎎夕5㎎)

ほかにもクッシングの症状を緩和するという

ヒルトンバーブ社のサプリメント「クッシエックス」

を飲んでいたけれど、

どちらも豆太郎の筋力低下を止めてはくれなかった。



バリ島のビーチを毎朝夕たっぷり歩いて

ガッシリと太かった脚は

筋肉を失って細く弱々しくなってしまった。





0201-3 2016
2015年7月、淡路島にて。このショットのあとつまずいた。





2015年初夏。

「タイムリミット」という言葉が

私の頭に点滅しはじめていた。


冬から春にかけての豆太郎の弱り具合を考えると

次の冬には歩けなくなってしまうかもという

悲しい予感が消えなかった。


そしてもうひとつ。

この頃から豆太郎に痴呆を疑う症状が

見受けられるようにもなっていたから。



だから

豆太郎が自分の脚で歩けるうちに

豆太郎が外の世界を認識できるうちに

いろんな場所に連れて行ってあげたいと思い

夏から秋にかけて毎週のようにお出かけをした。

出来なくなるタイムリミットの日が来る前に。


岐阜の白川郷、清里、淡路島、福井の若狭湾

京都嵐山、びわ湖、伊賀の里・・・・・・・。

暑すぎて出かけられない日や

近場をドライブするだけの日もあったけど

週一日の休みを利用して

日帰りで行ける場所にバカみたいに出かけまくった。



豆太郎は車での移動中ずっと寝ていて

目的地についてもぼんやりしていたけれど

いつもと違う景色を見て

いつもと違う匂いをかいでくれるだけでも

満足だった。

豆太郎に「出来る」ことが残っているだけで

私は嬉しかった。





豆太郎13歳。

豆太郎が過ごした最後の夏だった。

豆太郎と過ごせた最後の夏だった。





0201-4 2016





豆太郎の筋力低下を私は冬のせいにしているけれど

たぶん、それは違っているのだろう。


確かに、寒くて運動不足の続く間にも

筋力は衰えたのだろう。

けれど、そういう時期でもあったのかもしれない。

クッシングの症状がもうひと段階、

重くなったそういう時期。




だけどこの冬。

冬なのにやたらと暖かい日が来るたびに

思わずにはいられない。

去年と逆だったらよかったのに、と。

そうすれば豆太郎の「出来ない」日が

1日でも遅くなったかもしれないのに、と。




「タイムリミット」は

決してそんなつもりじゃなかったのに。

豆太郎が歩けなくなる冬が来たとしても

豆太郎がいなくなる冬を予感してなんて

決していなかったのに。



歩けなくても、寝たきりでも、

豆太郎にいてほしかったのに・・・・・・。







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