2016.01.29 眠り犬

このブログは、 南国バリ島に生まれ育った野生児パグ 豆太郎 と そら豆 が
ニッポンへ上陸しちゃった、トホホな 帰国犬日記 として 再スタートしました m(-_-)m





                         ☆ ☆ ☆



『もう1匹はどうしたの?』




『まだ寝てるんですよぉ。』





何度そんなやり取りをしただろう・・・・・・。





0129-1 2016





クッシング症候群の影響で

どんどん脚が弱くなってしまった豆太郎が

いつもの朝の散歩コースを歩けなくなったのは

去年の冬の終わりだった。



住宅街をぬけて田んぼ道に入ると

カモが川に浮かんでたり

ときどき青サギに会えたりするのどかな農道を

豆太郎とそら豆と私の、ひとりと2頭で

ゆっくり1時間ほどかけて歩くのが

朝のお決まりのコースだったけれど

弱ってしまった豆太郎の脚は

もうそんなに長く歩けなくなった。




だから朝の散歩はまず、

息子のそら豆がいつもの散歩コースを歩いて

そのあと豆太郎を近所に連れだす。

2頭が別々に散歩をするようになった。


先に出かけるそら豆を

豆太郎はいつもベッドの中から見送っていた。

ときには

布団の隙間から眠そうな目を開いて

ときには

イビキのBGMを奏でながら。


そして、そら豆が戻って来ても

私が起こしに行くまでたいてい

ベッドのなかでまどろんでいた。





0129-2 2016





私とそら豆だけで歩くようになると

名前もしらない人からたくさん声をかけられるようになった。


同じようにワンコを連れて散歩している人や

ウォーキング中のおじさん。

自転車のおじいさんや、朝のバスを待つ人・・・・。

以前から挨拶をしたりして顔見知りの人もいたけれど

ちっとも知らない通りすがりの人もたくさんいた。


みんな揃って同じ言葉をかけてきた。




『もう1匹はどうしたの?』





正直驚いた。

2頭のパグ犬とひとりのオバサン。

なんの目立つこともないような毎朝の姿を

意外とみんなが見ていたことに

案外とたくさんの人々の記憶に残っていたことに

正直びっくりした。


そして、


もう1頭いるはずの犬が欠けていることに気づいて

ある人は心配そうに

ある人は興味津々に

ある人は挨拶のついでに

『もう1匹はどうしたの?』と問いかけてきたのだ。



私はそのたびに

『まだ寝てるんですよぉ・・・・』

と苦笑いしながら応えた。



するとみんな一様に顔をゆるませて

笑ったり、呆れたりしながら、通り過ぎて行った。





0129-3 2016





豆太郎の姿が

いつもの散歩コースから消えて

そろそろ1年たつというのに

いまだにときどき声がかかる。




『もう1匹はどうしたの?』




朝の散歩で出会う人たちは

ほとんどがお年寄りだから仕方ないのかもしれない。

前にも同じことを聞いたのに忘れてしまったのかもしれない。




『もう1匹はどうしたの?』




今朝も・・・・・・。そうだった。





豆太郎の姿が

いつもの散歩コースから消えて

そろそろ1年たつというのに。



豆太郎はもう

この世にいないというのに。





けれど、私は応える。



『まだ寝てるんですよ・・・・・。』 と。





豆太郎とそら豆と私。

私たちは

2頭とひとりで歩く姿のまま

みんなの記憶に残ってればいい。




そうすれば




誰かが尋ねてくれるうちは

豆太郎は

家で眠り続ける子のまま

寝坊助なワンコのまま

ずっとずっと生きていられるから。



名前もしらない人たちだもの。

私が小さなウソをつたところで

誰も悲しまないし

誰も傷つけないだろうから。









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豆太郎へ



そら豆が明け方少し吐きました。


ククッククックッ・・・・・。

嗚咽するときの独特の音がしたかと思うと

ケボッと胃液を吐いた。


そら豆の生ぬくい体液を

手のひらで受け止めて

ベタベタの口を拭ってあげたら

スッキリしたのかそら豆は

またスースー眠ってしまったよ。


目覚めたそら豆はいつも通り元気で

ゴハンも食後のバナナも

ペロリと平らげました。



豆太郎、


なぜあの朝私は目覚めなかったのかな?

なぜ豆太郎の声が聞こえなかったのかな?

今朝は、そら豆がムクッと動いて

クッと嗚咽した瞬間に

目が覚めたというのに。



豆太郎、

本当にごめんなさい。


豆太郎、

本当本当にごめんなさい。







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